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理容師と美容師の違いとは?仕事内容や国家試験の資格と技術について比較解説します

理容師と美容師の違いとは?仕事内容や国家試験の資格と技術について比較解説します
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理容師と美容師は同じ髪の毛を切ると言う共通の仕事でありながら、仕事内容や技術ではかなり違いがあります。

私自身が国家試験を受け、理容師免許の資格を取得した経験から、周りから理容師と美容師の違いや、どっちが難しい?などの質問をされることが多かったのです。

私は働きながら通信教育で3年間、理容学校に通い理容師免許の資格を取得しました。

3年間のうちに、学校に通うのは多くても月に2~3日で、仕事をメインにして勉強できるので、とても通いやすかったです。

一緒に学びながら国家試験の勉強が出来る仲間も重要な存在でした。

理容師と美容師では仕事内容や技術の学びも異なることがあるため、髪の毛を切りに行く時のお店選びやこれから資格を取得したいと考えている方に、理容師と美容師の違いを理解し、どっちが難しい?と言う疑問について比較する事で何かのお役に立てればと思います。

理容師と美容師はどっちが難しいの?

理容師と美容師の違いとは?仕事内容や資格の違いについて比較解説

2021年3月末の美容師数は54万9935人で施設数と同様、過去最多を更新しました。

理容師数はというと21万0849人となり施設数と共に減少傾向にあります。

残念ながら、理容師を目指す人の数は減り続け、個人のお店も高齢の理容師さんが後継者がおらず、お店を閉めると言う場所が増えているそうです。

メディアでも美容師の魅力的なアピールが多いので、将来を考える時の影響力も大きいかもしれません。

個人的には理容師さんを断然応援しますし、今の時代にも残して欲しい技術です。

まずは「理容師法」と「美容師法」という資格・仕事内容に関する法律の違いについて解説したいと思います。

理容師法と美容師法

理容師法の定義「理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう(理容師法第1条の2第1項)」と定められています。

美容師法の定義「美容とは、パーマネントウェーブ、結髪(けっぱつ)、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう(美容師法第2条第1項)」

理容師法と美容師法の大きく違うところの一つは、理容師は刈り込みや顔剃りにカミソリを使用することが許可されているということです。

美容師による顔剃りや襟足やもみあげの処理にカミソリを使うことは禁止されています。

一方、美容師はカットやパーマ、ヘアセットなどの施術により、容姿を美しくする事を業とし、理容師は女性に対し、カットを伴わないパーマネントウェーブについては行ってはならないとされています。

髪を切ると言う共通の仕事でありながら、法律によって理容師と美容師の棲み分けがされているのです。

主に理容店は男性をカットし、美容院は女性をカットすると言う概念もなくなってきました。

男性でも美容院に行く方が増えてきました。

美容師は「容姿を美しくすること」を業とするため、見た目にこだわる美意識の高い男性が増えてきていると言うことですね。

技術の棲み分けがされていることで、それぞれの技術の個性を発揮しやすいです。

理容師と美容師の仕事内容

理容師、美容師は共にお客様に対してシャンプー、カット、パーマ、カラーリングなどの技術を駆使し、頭髪を整えることが主な仕事です。

理容室や美容室で働く場合、最初はお客様への対応や受付や掃除、シャンプーなどを行うアシスタントから始まり、技術を学んでお客様へカットやカラーが出来る技術者になっていきます。

最初からお客様のカットが出来るわけではありません。

学校で技術も学びますが、お金をもらってカット出来るまでには、お店の承諾も必要になります。

アシスタントの時期にカット練習をしながら、お客様とのコミュニケーションも学んで行きます。

それ以外には美容師はヘアメイクや着付けを学んで七五三や成人式に美容室で着物を着せると言う事も出来ます。

理容室は男性がメインのお客様が多かったのですが、カミソリを使用することが出来るので最近ではシェービングのみの女性客も増えています。

理容師・美容師の就職先や活躍できる場所

理容師と美容師の違いとは?仕事内容や資格の違いについて比較解説します

主に理容師は理容室、美容師は美容室に就職することが一般的です。

個人経営や小型店、チェーン展開している大型店など店舗の規模によって個性が分かれます。

また、チェーン展開する1000円カットなど低価格料金でカットのみを行うお店も増えています。

レディースシェービング専門店も近年増えており、女性理容師が多く活躍しています。

その他シェービング技術を活かしてブライダルサロンで花嫁さんのブライダルシェービングやエステを行う事も出来ます。

これまでは選択肢が少ない女性理容師が、近年活躍できるお店が増えたことはとても喜ばしいことです。

美容師は結婚式場で花嫁さんにヘアメイクを施したり衣装を着付ける事もできます。

美容師の活躍の場として増えているのがまつ毛エクステやまつ毛カール、まつ毛パーマなどをするアイリストとして美容サロンに就職する女性美容師も増えています。

また、美容室勤務で実績を作りヘアーメイクアーティストとしてヘアーメイク事務所に就職することも可能です。

理容師・美容師の国家試験の資格と技術の違いとは?

理容師や美容師になるには免許(国家資格)が必要になります。
免許を取得するために厚生労働大臣または都道府県知事の指定した学校で学び、課程を終了することで受験資格が与えられます。

理容師と美容師の免許を一緒に取りたいと言う方もいます。

国家資格試験は通常と同じように受験する事になりますが、どちらかの免許を先に取得していれば履修科目の大幅減免と就学期間の短縮の対象となるそうです。

ダブルライセンス取得すると技術の幅が広がりますし、働ける場所の選択肢も増えるのでメリットが多いです。

免許を取得するための学校とはどういった場所か?理容師と美容師の国家試験の資格の違いについて説明します。

理容師や美容師になるための学校

理美容師免許を取るための学校には、厚生労働大臣または都道府県知事の指定した養成施設(理容学校、美容学校)つまり厚生労働省の認可を受けている学校に通う必要があります。

免許取得をするのであれば厚生労働大臣指定校と表記されている学校をチェックしましょう。

専門学校の種類には大きく分けて3つの課程があり、どの課程を選ぶかはどのようなライフスタイルにしたいかで選択できます。

「昼間課程」一般的な全日制と同じように週5日間授業があります。

昼間にしっかりと学科や実技の授業が受けられるので就学年数は2年間になります。

「夜間課程」夕方から夜間にかけて授業が行われます。

昼間は仕事をして授業料を稼ぎたいと言う方に適していて、就学年数は最短で2年間です。

「通信課程」レポート提出と年に何回か授業を受ける学び方です。

理美容室で見習いとして働きながら通信で学ぶ方も多くいて、就学年数は3年間です。

理容師と美容師の国家試験の内容

国家試験には筆記試験と実技試験があり、筆記と実技の両方合格が必要となります。

筆記試験か実技試験のどちらか合格した場合は次回試験を受ける際、合格した試験が免除になります。

試験は年2回行われます。(8月と2月)

筆記試験

美容と理容の理論の違いは有りますが、公衆衛生や法律についてなど理容師と美容師に共通項目があります。

最近では運営管理と文化論が新しい科目に加わったそうで、それ以外は過去問題が公表されていますので、試験対策の参考になります。

実技試験 

「基礎技術」「衛生面」の両方が重視されていて、理容師法も美容師法も最大の目的が「公衆衛生の向上」であるので、用具の取扱の衛生面を厳しく審査されます。

技術は出来ていても、衛生面で合格ラインに達していないと不合格となる場合があります。

理容師はカット技術と合わせてシェービングが試験項目となり、美容師はカット技術と合わせてパーマ(カラーを巻き付けていく)技術が試験項目となります。

理容師の実技試験の課題は特に大きく変更はないのですが、美容師の実技試験の課題に関しては10年程度で変更される様です。

美容師の技術は流行に左右されやすいので、試験にも基礎技術として変更を求められるのかもしれません。

まとめ

理容師と美容師の違いとは?仕事内容や資格の違いについて比較解説します

2022年4月1日の第45回理美容師の国家試験の試験合格率が発表されました。
理容師国家試験の合格率は85.0% 美容師国家試験の合格率は92.3%で理容師と美容師共に過去最高合格率となりました。

合格率を比較すると美容師免許を取得する国家試験の合格率が高いのが分かります。

もしかしたら理容師は、シェービングの技術や実技試験の刈り上げの難しさで合格率が低いのかなと言う自分なりの思いがあります。

それでも、理容師と美容師の国家試験の資格の内容はどっちが難しいかは、大きな違いはないのではないかと思います。

現時点では美容師の国家試験は実技の技術を見直し検討しており、時代と共に試験内容や仕事内容にも変化があり、消費者が理容師や美容師の違いや求めるサービスも多様となっています。

サービスを提供する側の理容師、美容師も常に何が求められているかを考え、これまでのやり方に固執せず柔軟に対応出来る技術やサロンが生き残っていくと感じました。

理容師や美容師の仕事は1対1のサービスな為、お客様との距離感も近く、その分反応も分かりやすくやりがいのある仕事だと思います。

私も理容師時代はお客様のお悩みを聞く事も多く、人との関わり合いの中で学ぶことが沢山ありました。

この経験が精神的な成長にも繋がっていたと思っています。

これから理容師や美容師を目指したいと言う方にも、自分にはどちらの仕事内容が合っていて、資格はどっちが難しいと思われるのか、この理容師や美容師の違いについて知って頂き今後の参考になれば嬉しいです。

ここまでお読み頂きありがとうございました。